試合データと概要
- 対戦カード:ロアッソ熊本 vs 水戸ホーリーホック
- 日時:2025年8月3日(日)19:00キックオフ
- スタジアム:えがお健康スタジアム
- 天候/気温:曇/約30℃
- 結果:熊本 2 – 1 水戸(前半 0-1/後半 2-0)
- 得点者:古長谷千博(熊本/68分)、岩下航(熊本/80分)、加藤千尋(水戸/36分)
- 観客数:4,443人
【前半】静かな立ち上がりから、水戸の鋭い一撃
序盤は互いに様子を見ながらの立ち上がり。熊本はポゼッション重視のスタイルでボールを握るものの、水戸の前線からの鋭いプレッシングにやや手を焼く展開となった。
前半36分、熊本に痛恨の失点。中盤でのパスミスを拾われ、右サイドを一気に突破されると、最後は水戸の加藤千尋が冷静に流し込んで0-1。李泰河らDF陣のカバーも間に合わず、狙い澄ました一撃だった。
【後半】10番が火をつけた、熊本の逆襲
ハーフタイムを挟んで、半代に変えて神代を投入。チーム全体としての攻撃の意識も上がりつつ、古長谷も中へと入ってプレーする頻度が増えたことで、攻撃に流動性が出始めた。
🔥 68分:ついにエースが輝く!古長谷の同点ゴール
決定機がなかなか作れず苦しんでいた中、ついに試合が動いたのは後半23分。相手DFラインの背後を突いた大西のクロスに、神代が反応し、そのこぼれ球を古長谷が左足ボレーでゴールへ突き刺し技ありの一発。
これが、ここ最近の10番の好調を象徴するようなゴールだった。ポジショニング、タイミング、冷静なフィニッシュ…どれを取っても一級品。
【分析】なぜ今、古長谷千博が絶好調なのか?
このゴールは、偶然ではない。
彼の今のプレーには**「自信・判断・スピード」**の三拍子が揃っている。
- ポジショニング:ピッチ中央〜左サイドにかけて自由に動きながら、ボールを受けられるポケットを探す動きが秀逸。
- 判断力:無理な仕掛けをせず、必要なときにギアを上げるプレーが増えた。
- 得点意識:ゴール前への入り方、フィニッシュの選択が以前より鋭く、”狙って”点が取れている。
さらに、セットプレー時もターゲットになっており、ファールを受ける数も多い。「得点」「アシスト」「起点」「時間を作る」など、まさに**”攻撃の核”**として完全に機能している。
【80分】岩下航、気迫の逆転弾!
同点で勢いづいた熊本は、なおも攻勢。80分、左サイドのFKからの流れで、こぼれ球を岩下航がヘディングで押し込んで逆転に成功!
岩下はこの日、運動量・攻守の切り替えともに高水準で、古長谷とのコンビネーションも見事だった。
【試合終盤】塩浜遼が退場も、全員守備で逃げ切り!
しかし、試合はここから荒れる展開に。塩浜遼が2枚目の警告で退場。数的不利の中での約10分間は、まさに耐える時間。
それでも、李泰河・袴田・大西ら守備陣が身体を張り、水戸の最後の波状攻撃をしのぎ切った。
データから見る熊本の勝因
項目 | 熊本 | 水戸 |
---|---|---|
ボール支配率 | 61% | 39% |
シュート数 | 13本 | 15本 |
枠内シュート | 4本 | 5本 |
パス成功率 | 約85% | 約78% |
シュート数・決定機は水戸がやや上だったが、熊本は「少ないチャンスを決めきった」こと、そして「10番の違い」が勝敗を分けた。
試合後コメント(公式より要約)
大木武監督:「勝点3を取れたことは素晴らしい。10番(古長谷)が良い働きをしてくれた。退場もあったが、最後までチームが戦い抜いた」
古長谷千博:「点を取れて嬉しい。いい形で裏に抜け出せたし、自信を持って打てた。まだまだ上を目指したい」
今後に向けての展望|この勝利を「一過性」にしないために
熊本はこの勝利で勝点を27まで伸ばし、降格圏から再浮上を目指す足がかりを作った。次節以降、注目すべきは:
- 古長谷のさらなる得点・アシスト増加
- 退場者が出た後の守備陣の対応力強化
- 前半から主導権を握る試合展開への改善
特に古長谷の調子が続けば、熊本は「残留争い」から「中位固め」へと目線を上げることができる可能性がある。
最後に:10番がチームを変える——今の熊本は“古長谷のチーム”と言っても過言ではない
2025年夏。
熊本は暑さにも、相手にも、自らの課題にも負けなかった。
そして、その真ん中にはいつも背番号10がいる。
次節も、古長谷のプレーから目が離せない。

