1. サッカー王国・静岡が育んだ才能
古長谷千博(こながや ちひろ)は静岡県沼津市出身。
静岡といえば“サッカー王国”と呼ばれる土地であり、サッカーを志す子どもにとっては理想的な環境です。休日には街中の公園や河川敷でボールを蹴る子どもたちの姿があふれ、少年団から高校まであらゆるレベルのチームがしのぎを削っています。
その中で古長谷も自然とボールに触れ、サッカーと共に成長してきました。地元の仲間とプレーする中で磨かれたのは「ボールを止める」「蹴る」といった基礎技術。静岡サッカーの伝統であるテクニックと視野の広さを、小学生の頃から徹底的に叩き込まれたことが、後のプレースタイルにつながっています。
2. 清水桜が丘高校での飛躍

古長谷の名前が全国に知られるようになったのは、清水桜が丘高校に進学してからです。
清水桜が丘といえば、数多くのプロ選手を輩出してきた静岡の名門。ここで彼は1年生からベンチ入りを果たし、早くもその才能を買われます。
高校選手権での経験
3年時には全国高校サッカー選手権に出場。静岡県予選では司令塔として攻撃を操り、決勝では豪快なミドルシュートを叩き込み、全国への切符を勝ち取りました。
全国の舞台では惜しくもベスト16で敗れましたが、その試合後、相手チームの監督が「10番が一番怖かった」と評したほど、強烈な印象を残しました。
当時のプレースタイル
高校時代の古長谷は「テクニシャン」として知られ、どちらかといえばゲームメーカー寄り。細かいパスワークやスペースへのスルーパスで味方を活かすタイプでした。ただ、その中でも勝負強さを発揮し、大事な場面で点を取る力を備えていたのが特徴でした。
3. 常葉大学でのさらなる成長

大学は常葉大学へ進学。ここでも1年生から出場機会を得て、チームの中心に成長していきます。
得点王に輝いた3年生シーズン
3年時には東海学生リーグで得点王を獲得。ポジションはトップ下でありながらゴールに直結するプレーが増え、シュート精度の高さを示しました。特にミドルレンジからの豪快なゴールは大学サッカーファンの間でも話題となり、「プロでやれる」との声が高まっていきました。
全日本大学選抜への選出
さらに全日本大学選抜にも選ばれ、韓国遠征に参加。国際大会でアジアの強豪と対戦し、フィジカル面や試合展開の速さを体感しました。
大学選抜チームに参加している選手はJリーグでもトップクラスの選手に成長している人が多いので一つの基準にもなります。
4. ロアッソ熊本での挑戦

プロ入りと背番号10
2024年、ロアッソ熊本に加入。2年目からは背番号10を託されるというのは大きな期待をもたれています。それだけクラブが彼のポテンシャルを高く評価していた証。本人も「熊本を勝たせる10番になる」と意気込みを語りました。
プロ初ゴールの歓喜
シーズン序盤からスタメンに名を連ねると、4月の試合でプロ初ゴールを決めます。ペナルティエリア外で左足を振り抜き、ゴール右隅に突き刺した一撃。スタジアムは歓喜に包まれ、「熊本に新しい10番が現れた」とサポーターに強烈なインパクトを残しました。
5. 古長谷千博のプレースタイル徹底解剖

① 視野の広さとゲームメイク力
中盤でボールを受けると、すでに複数の選択肢を描いています。ワンタッチでサイドに展開するパス、縦に刺すスルーパス、相手の逆を突くタッチ。どのプレーも判断が速く、テンポを崩しません。
② ミドルレンジからの決定力
古長谷の代名詞がミドルシュート。大学時代から磨いてきた精度はプロでも健在で、熊本の試合でもたびたび決定機を演出します。ゴール前で迷わず狙える勇気と、自信に裏打ちされたシュート技術は、熊本の武器そのものです。
③ 縦への推進力
ボールを持ったら一気に加速し、縦へ突破。相手守備陣を押し下げ、味方の攻撃にスペースを生み出します。この推進力があるからこそ、熊本の攻撃が単調にならず、多彩な崩しを実現できるのです。
④ 守備での献身
前線からのプレス、ボールを失った直後の切り替え、守備でも怠らない姿勢が光ります。単なるアタッカーではなく、チーム全体の戦術にフィットできる総合力を持つのが彼の強みです。
6. サポーターに愛される理由

古長谷はプレーだけでなく、その熱さもサポーターを惹きつけます。得点後にはベンチやスタンドへ真っ先に挨拶へ向かい、試合後の反省や次への意気込みも忘れません。ゴール後の感情むき出しのセレブレーションも人気で、スタジアムの雰囲気を一体にする存在です。
「熊本に来てよかった」「このチームをもっと強くしたい」
そう語る姿勢が、サポーターからの信頼につながっています。
7. 熊本での役割と今後の期待

チームの司令塔として
熊本の攻撃の中心にいるのは間違いなく古長谷です。塩浜遼の推進力、大本祐槻の突破力と組み合わせれば、熊本の攻撃はさらに破壊力を増します。同じく同期の藤井やユース上がりの神代とコンビを組む試合も多くなってきており彼らの爆発がこのチームの結果に大きく委ねられていると思います。
個人昇格の可能性
すでに「個人昇格筆頭候補」と呼ばれるほどの実力を見せており、J1クラブからの注目も噂されています。もし熊本からステップアップすれば、本人のキャリアにとっても大きな転機となるでしょう。
ロアッソファンとしては残ってほしい気持ちともっともっと飛躍してほしい気持ち両方あります。
ロアッソと一緒にJ1へが一番理想ですね。
8. まとめ|熊本の未来を託された背番号10
古長谷千博は、静岡サッカーの伝統を受け継ぎ、大学で磨きをかけ、熊本で花を咲かせています。
視野の広さ、両足でのテクニック、ミドルシュートの決定力、縦への推進力、そして背番号10としての責任感。
彼がいる限り、ロアッソ熊本はどんな相手にも恐れず挑める。
そして熊本サポーターにとって、彼の存在は希望そのものです。
未来のJ1、さらには日本代表。
その夢を現実にできるだけの実力を、古長谷千博は間違いなく持っています。
以上、次回のブログもぜひ読んでください。

