ロアッソ熊本 vs カターレ富山 試合結果・レビュー|松岡瑠夢が決勝点、三島がアクシデントをカバー

松岡瑠夢が今季初ゴール!4か月ぶりのアウェイ白星。

めちゃくちゃうれしいですね~!

今日はこの大事なアウェイゲームを振り返ります!

試合情報

  • 大会:明治安田J2リーグ 第28節
  • 日時:2025年8月30日(土)18:33キックオフ
  • 会場:富山県総合運動公園陸上競技場
  • 結果:カターレ富山 0–1 ロアッソ熊本
  • 得点者:33分 松岡瑠夢(熊本)
  • 入場者数:6,212人
  • 天候:晴れ / 気温28.1℃

先発メンバー

ロアッソ熊本(3-4-3形)

ポジション選手名
GK1 佐藤史騎
DF3 大西遼太郎
DF4 袴田裕太郎
DF24 李泰河
MF9 大本祐槻
MF8 上村周平
MF17 藤井皓也
MF15 三島頌平
FW14 塩浜遼
FW28 神代慶人
FW16 松岡瑠夢

カターレ富山

ポジション選手名
GK1 田川知樹
DF88 濱託巳
DF4 神山京右
DF19 實藤友紀
DF3 香川勇気
MF16 末木裕也
MF48 植田啓太
MF33 高橋馨希
MF11 小川慶治朗
FW10 松田力
FW27 吉平翼

ベンチ入りメンバー

ロアッソ熊本

GK:23 佐藤優也
DF:2 黒木晃平
DF:5 阿部海斗
MF:7 竹本雄飛
MF:13 飯星明良
FW:18 半代将都
FW:20 大﨑舜

カターレ富山

GK:42 平尾駿輝
DF:2 吉田新
DF:5 今瀬淳也
MF:8 松岡大智
MF:14 浦十藏
MF:18 伊藤拓巳
MF:22 椎名伸志
MF:34 竹中色汰
FW:39 古川真人


交代記録

カターレ富山

  • 前半44分:實藤友紀 → 今瀬淳也
  • 後半15分:末木裕也 → 椎名伸志
  • 後半15分:松田力 → 古川真人
  • 後半15分:香川勇気 → 吉田新
  • 後半78分:植田啓太 → 伊藤拓巳

ロアッソ熊本

  • 後半70分:大本祐槻 → 阿部海斗
  • 後半70分:松岡瑠夢 → 半代将都
  • 後半74分:三島頌平 → 飯星明良
  • 後半74分:神代慶人 → 大﨑舜
  • 後半90分:藤井皓也 → 竹本雄飛

試合前に襲ったアクシデント

試合当日、ピッチに立つ前から想定外の出来事が起きる。ウォーミングアップ中に豊田歩が負傷し、急きょ欠場となったのだ。豊田はここ数試合、安定した守備とビルドアップでチームを支えていただけに、その離脱はチームにとって痛手だった。

しかし代わって先発に抜擢されたのが三島頌平。急な出場にも関わらず落ち着き払ったプレーを披露し、この日の勝利に大きく貢献することになる。

さらに追い打ちをかけるように、チームの心臓とも言える岩下航と、ゲームメイクの要である古長谷千博が帯同すらしていない。攻守の要を欠く布陣で臨むこととなり、試合前の空気は「今日は苦しい戦いになる」というものだった。

それでも、熊本はこの逆境を乗り越えてみせた。

三島頌平の安定感 ― 豊田の穴を埋める冷静なプレー

急きょ出場となった三島は、守備での粘り強さとボール保持での安定感を発揮。試合全体を通して大きなミスはなく、危険な場面でも冷静に対応し続けた。

本来なら豊田が担うはずだった役割を、三島は堂々と果たした。ラインコントロールや味方との連携も乱れることはなく、守備陣の一員として最後まで集中力を切らさなかったのは特筆すべきだろう。

前半:大本の仕掛けと松岡のゴール

前半は一進一退の攻防。互いにゴール前までは迫るものの、決定機をつくり出す場面は少なかった。そんな中で均衡を破ったのは熊本だった。

33分、右サイドで起点となったのは大本祐槻。古長谷不在の中でスタメンに名を連ねた彼が、積極的な仕掛けから鋭いボールをゴール前へ送る。相手DFが対応しきれずルーズな状態になると、そこに素早く反応したのが松岡瑠夢だった。

松岡はアクロバットなワンタッチシュートで、低く抑えられたシュートがゴール左隅へ。ネットを揺らした瞬間、アウェイ席は歓喜に包まれた。

「こぼれ球への反応の速さ」「落ち着いたフィニッシュ」。この得点は、主力を欠く中で起用された大本と松岡が結果を残した象徴的なシーンだった。


後半:耐える時間を全員で守り切る

リードを奪われた富山は後半、攻勢を強めてくる。サイドからのクロスやセットプレーを中心に熊本ゴールへ迫った。特に後半半ば以降は押し込まれる時間が続き、守備陣にかかる負担は増していった。

しかし、熊本は集中力を切らさなかった。3バックを軸に体を張った守備を続け、GK佐藤史騎も的確なセーブでゴールを死守。さらに途中出場の阿部・飯星・竹本らも前線から献身的にプレスをかけ、全員で富山の攻撃を跳ね返した。

最後まで虎の子の1点を守り切った熊本は、ついにアウェイでの勝ち点3を手にした。


勝因は「層の厚さ」 ― 不在を力に変えた熊本

この試合の勝因を一言で表すなら「層の厚さ」だ。

  • 豊田の負傷 → 三島が冷静なプレーでカバー
  • 岩下と古長谷の不在 → 大本と松岡が得点に絡むプレーで存在感
  • ベンチ組も途中出場で守備の強度を高め、全員で勝利に貢献

本来ならキャプテンと10番の不在で戦力ダウンが避けられないはずの状況を、チーム全員の力で乗り越えた。これは、今シーズンの熊本が一人ひとりの役割意識を強く持ち、戦術理解度を高めている証拠だろう。


選手別評価(レビュー)

  • 松岡瑠夢:決勝点を決めただけでなく、前線でのチェイシングでもチームを助けた。
  • 大本祐槻:ゴールを演出した積極的な仕掛け。古長谷不在の中、攻撃の推進力を担った。
  • 三島頌平:突然の先発でも動じず、守備で安定感。冷静な判断が光った。
  • 佐藤史騎:ビッグセーブはなかったが安定したキャッチングと声出しで最後方を支える。
  • 袴田裕太郎:リーダーシップを発揮し、若手や代役を統率。

試合がもたらした意味

  1. アウェイでの4か月ぶり勝利
     遠征で勝てなかった流れを断ち切り、精神的に大きな自信となる。
  2. 選手層の確認
     主力を欠いても勝てたことは、残りシーズンを戦ううえで大きな意味を持つ。
  3. 順位争いでの一歩前進
     富山との直接対決に勝ったことで、残留圏内から上を狙う足場を作った。

今後の展望

この勝利を一過性に終わらせないためには、次節以降の戦いで同じ集中力を発揮できるかがポイントになる。特に古長谷や岩下の復帰時には、彼らと今回躍動した大本・松岡らの競争が激化するだろう。

また、大本や三島のように「チャンスを掴んだ選手」がさらに存在感を示せば、チーム全体の底上げにつながる。残留争いを抜け出し、上位進出を狙うためにはこの層の厚さが武器になる。


総括

2025年8月30日、ロアッソ熊本はカターレ富山とのアウェイ戦で1–0の勝利を収めた。試合前から主力の欠場や直前のアクシデントに見舞われ、厳しい状況に置かれていたが、代わりに出場した選手たちが堂々と役割を果たし、結果を出した。

「誰が出てもチームの力が落ちない」。その事実を証明したこの勝利は、順位表以上の価値を持つものだ。サポーターにとっても、この日の勝利は単なる1勝ではなく、J2残留だけでなくさらに上の順位でフィニッシュするために勢いの付く大事な1勝となった。