
はじめに
家づくりを始めたばかりの人にとって、屋根材の選択は意外と盲点です。
「外観デザインや間取りばかり気にして、屋根は営業さんにお任せ」…実はこれ、後から後悔するポイントになりがちなんです。
特に、屋根材にはスレート(コロニアル)と瓦の大きく2種類があり、耐久性やメンテナンスコストに大きな差があります。
多くのローコスト住宅メーカーではコストを抑えるためにスレートを標準仕様としていますが、タマホームは瓦屋根を標準で採用しているプランが存在します。
今回は、なぜこれはすごいことなのか、そして初心者が屋根選びで失敗しないためのポイントを、実際にタマホームで建てた筆者の経験も交えて解説します。
1. 屋根材の基本をおさらい
スレート屋根(コロニアル)
- 素材:セメント+繊維質
- 重量:軽い(地震時の揺れが少ない)
- メリット:施工しやすく安価
- デメリット:耐久性は20〜30年程度、10〜15年ごとに塗装が必要
瓦屋根
- 素材:焼き物(陶器瓦・いぶし瓦など)
- 重量:重い(耐震設計が必要)
- メリット:50年以上の耐久性、塗装不要、美観が長持ち
- デメリット:初期コストが高い、重量があるため構造計算が重要
なぜローコスト住宅で瓦は珍しいのか
瓦屋根は材料費・施工費ともにスレートより高く、
さらに家全体の耐震強度を確保するための構造補強が必要になるため、
ローコスト住宅メーカーではコスト削減のために採用を避ける傾向があります。
2. タマホームが瓦屋根を採用できる理由
タマホームは全国規模での資材一括仕入れや標準仕様のシンプル化でコストダウンを図っています。
そのため、他社ではオプション扱いになる瓦屋根を、プランによっては標準仕様で採用できるのです。
私が建てた2022年当時のTHEタマホームも、標準でスレートではなく瓦を採用していました。
これは、他社比較をしたときにかなり大きな差別化ポイントでした。
3. 瓦屋根のメリットを初心者にもわかりやすく解説
① メンテナンスコストが圧倒的に安い
スレート屋根は10〜15年ごとに塗装工事が必要で、そのたびに100万円前後の費用が発生します。
一方、瓦屋根は塗装不要で、50年以上ほぼノーメンテナンス。
長期的に見れば初期費用の差以上にお得です。
② 美観が長持ち
陶器瓦は色が焼き付けされているため、紫外線や雨で色褪せません。
新築時の美しさが数十年単位で続きます。
スレートは経年劣化で表面が白くなったりコケが生えたりしますが、瓦はそうなりにくいです。
③ 耐久性と耐火性が高い
瓦は台風や豪雨、紫外線にも強く、火事にも耐える耐火性能があります。
日本の高温多湿な気候や台風の多い地域に非常に適しています。
④ 遮音性・断熱性が高い
瓦の重みと厚みは、外からの騒音や熱を遮る効果もあります。
夏の暑さや冬の寒さ対策としても有効です。
4. 瓦屋根のデメリットとその対策
① 重量がある
瓦はスレートの約2〜3倍の重さがあります。
そのため、建物の耐震設計が重要です。
タマホームは標準で耐震等級3(最高等級)を取得できるプランが多いため、この点はクリアできます。
② 初期費用が高い
スレートより数十万円高くなるケースがありますが、
長期的なメンテナンス費用を考えるとむしろ安くつく場合が多いです。
③ 割れやすいイメージ
確かに重量物の落下や極端な衝撃で割れる可能性はありますが、実際は強度が高く、通常の生活で割れることはほぼありません。
また、部分補修が可能です。
5. 私がタマホームの瓦屋根を選んだ理由(体験談)
2022年に建てた我が家は延べ床約30坪、価格は約2,200万円。
同じ価格帯の他社はほぼスレート屋根標準でしたが、タマホームでは瓦屋根が標準。
外観の高級感、メンテナンス費用の削減、そして何より「10年後に屋根塗装のために足場を組む工事が不要」という安心感が決め手でした。
6. 他社比較(例)
項目 | タマホーム(瓦屋根) | 他社A社(スレート標準) |
---|---|---|
初期費用 | やや高め | 安い |
メンテナンス費用(30年) | ほぼゼロ | 約200〜300万円 |
耐久性 | 50年以上 | 20〜30年 |
美観維持 | 色褪せにくい | 色褪せ・コケ発生 |
耐震性 | 等級3対応可 | プランによる |
7. 初心者が屋根選びで失敗しないためのポイント
- 初期費用だけで判断しない
10年後、20年後の維持費まで含めて総額で比較する。 - 地域特性を考慮
台風が多い、雪が降る、夏が暑い…など地域条件で最適な屋根は変わる。 - 耐震等級を必ず確認
瓦屋根は重量があるため、耐震設計がしっかりしているか要確認。 - メーカー仕様書をチェック
瓦の種類、施工方法、保証期間を必ず確認。
8. 初心者が屋根選びで失敗しないためのポイント2
私は家づくりの情報収集をしていたとき、何社もモデルハウスや完成見学会に足を運びましたが、ほとんどのローコストメーカーは標準仕様がスレート屋根でした。
確かに初期費用は安く、軽量で施工もしやすいのですが、長期的に見れば大きな落とし穴があります。
1. 劣化が早い
スレートは10年も経てば表面の塗膜が劣化し、色褪せやコケの発生が目立ちます。
特に北面は日当たりが悪いため、緑色のコケや黒ずみが広がり、見た目の劣化スピードが速いです。
2. 手直しコストが高い
劣化したスレートは塗装しないと防水性能が落ちます。
塗装工事は足場を組む必要があり、費用は100万円前後が相場。
しかも、これは10〜15年ごとに繰り返し必要になります。
つまり、30年住めば屋根だけで200〜300万円の維持費がかかることも珍しくありません。
3. 塗装できない場合もある
経年劣化が進みすぎると塗装ではなく葺き替えが必要になり、その場合はスレートを撤去して別の屋根材を施工するため、さらに高額(200万円以上)かかることもあります。
4. 美観の維持が難しい
陶器瓦のように色が焼き付けられているわけではないため、紫外線や雨風での色褪せが避けられません。新築時の美しさは長くは続かないのです。
このように、スレート屋根は初期費用の安さだけを見て選ぶと、後から「こんなに維持費がかかるとは…」と後悔する人が多い屋根材です。
だからこそ、タマホームのように瓦屋根を標準で選べるメーカーは非常に貴重ですし、最初から瓦にしておけばメンテナンスの悩みから解放されます。
まとめ
タマホームは「ローコスト住宅メーカー」という印象がありますが、
屋根材ひとつをとっても、長期的な耐久性やメンテナンスコストを考慮した優良仕様を採用しています。
瓦屋根は初期コストこそ高めですが、数十年後のメンテナンス費用を考えるとむしろ経済的。
外観の美しさや性能の高さも魅力です。
これから家づくりを始める方には、
「屋根材こそじっくり選ぶべき」
「タマホームの瓦標準仕様はかなりお得」という2点を強くおすすめします。

